家賃情報の第二、「想定賃料」

先述したような、入居がされている部屋に関する、現状で実際に徴収している家賃のことを、「現況賃料」と言います。

現状賃料に次いで、レントロールに記される家賃情報として重要なのが、「想定賃料」と呼ばれるものです。

インターネットサイトでこの言葉を調べてみると、対象物件内の他の部屋や周囲の条件の類似した物件における賃料を参考に、家賃の推移を想定するもの、といった結果が出てきます。

この想定、シミュレーションを行うのは、基本的には販売を代行する仲介業者、不動産業者などです。場合によっては、オーナー自身の手によるケースも、非常に稀ではありますが、ないとは言えません。

しかしここで重要なのは、想定賃料の算出シミュレーションを行っているのは、売手側の人間である、ということです。

業者であれ売主自身であれ、いずれにせよ、売手にとって良い条件で売買を行いたいと考えている、という点では同じことです。そして前に書いている通り、レントロールは法定の緻密な書類ではありませんので、様々な面でローカルなルールが多くあります。想定家賃に関しては、その算出方法についても、定められた方式はありません。「築年数は当然増えるが、この土地は来春建設予定のテーマパークの最寄駅の近くにあるので、不動産価値は増すのです!」といったような営業的で楽観的な、根拠のない自信に依拠して算出されていても、何の問題もありません。

想定家賃に関しては、マーケットのことをよく理解している業者もしくはオーナーが、正当性を主張できる範囲で、なるべく高く想定しているもの、という風に、原則的には考えた方が良いかもしれません。

このように、レントロールは有益な情報源でありながら、誤った判断の原因ともなるものです。ともかくレントロールは売主側から得られる情報源の代表的な存在ですので、次回も引き続き、その読み方や意味について見ていきます。

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